モノづくりで国際貢献を

堂々と“かっこいい”と言えるかどうか

私たちは、なぜボランティアではなく、収益のあがる事業として地雷除去機製造を行うのか。「企業活動と社会貢献の両立を目指して」にもある通り、「ずっと継続していくこと」がその最大の理由です。

しかし、もうひとつ大きな理由があります。子どものような意見だと笑われるかもしれませんが―それは、これが「かっこいい仕事」だと思うから、です。

地雷をなくして、世界に平和を取り戻す。そこに畑や田んぼをつくり、収穫を得る。機械を売った私たちも、貧しい暮らしから抜け出せた地雷原に暮らす人たちも、みんなが喜ぶ。もちろんその喜びは、ただ単にお金が得られたというだけのものではありません。

地雷除去活動に関して、かっこいいなどという言葉を使うべきではないという人もいるかもしれません。しかし私は、むしろあえて堂々と「どうだ、かっこいい仕事だろう」と胸を張るべきだと思うのです。

「かっこいい仕事」とは、単なる自画自賛でも、他人に自分をよく見せようということでもありません。自分たちは果たしていま、世界に役に立つことをできているのか。胸を張れるほどの努力を本当にしているのか。負うべき義務を果たしているのか―。責任を自覚し、誇りを持てる、目指すべき仕事のあり方のことなのです。