モノづくりで国際貢献を

若者たちよ、外に出よ

残念なことに、今の日本からは、「モノづくり」と「人づくり」が失われつつあります。かつての日本は、技術者を育成し、モノをつくることで経済成長を遂げてきました。しかし、バブル経済以降、とくに製造業は生産の拠点をコストの安い海外へと移しています。昨今の円高で、グローバル化の流れはさらに加速。日本の中だけで、ビジネスが成り立つ時代は終わりを告げました。

しかし、人をつくることなしに、モノをつくることはできません。日本の製造業の多くが20年近く低迷を続けているのは、核心である「人づくり」を忘れてしまったからだと私は思っています。

私たちの地雷除去機は、カンボジアやアフガニスタンでの実績が評価され、活動範囲はアンゴラなど遠くアフリカ諸国へと広がっています。2000年には世界にわずか3台だったのが、17年間で86台を超え、世界でも3割以上のシェアを誇るまでになりました。

私はよく、会社の若手にこう言ってハッパをかけています。

「お前たちの代には、儲けられるようにしろ」

地雷除去機の製造は、ほぼボランティアで赤字を積み上げるだけの状態だった最初の数年間を経て、現在では適正な収益を見込む事業として取り組んでいます。それでも、私が経営にあたっている間には、これまでに投じた開発コストを回収することはできないかもしれません。しかし、次の世代では確実に世界で通用する新しいビジネスになるだろうと感じています。

外国には、日本の中にいてはわからない、多くのチャンスがある。

だからこそ私は、日本の若者たちに、もっと外国へ出ていってほしいと願うのです。この国が景気低迷にあえぐ今だからこそ、若者たちが立ち上がるときです。広い世界には、これからの未来を切り拓くきっかけがたくさん転がっているのですから。

世界に出て、その手でチャンスをつかんでください。